●新着情報20011115
最終年記念フォーラムでは、メキシコ政府をはじめとする「障害者の権利条約」を巡る動きを踏まえ、さる11月12日(月)、弘済会館(東京都)において、「ポスト『アジア太平洋障害者の十年』(以下「十年」)の構想に関する意見交換会」を開催しました。
当日は、ジョセフ・クオック氏(香港心身障害者福祉協議会/右写真)、高嶺豊氏(国連ESCAP障害担当官)、堀利和参議院議員をはじめ、最終年記念フォーラム主唱団体代表者や関係者ら約20名が出席しました(左写真/会場の様子)。
はじめに、司会である上田敏氏(大阪フォーラム実行委員長)より、「本日の意見交換会では、来年の大阪フォーラムを、ポスト『十年』に係る関係各国との合意を得られる場とするために、今後の取り組み等について意見を交わしたい」との挨拶がありました。
続いて、話題提供として、松井亮輔氏(RIアジア太平洋地域副会長)より「ポスト『十年』への取り組みについて」、高田英一氏(世界ろう連盟アジア事務局長)より「IDA(国際障害同盟)について」、川島聡氏(横浜国立大学院卒)より「障害者の国際人権保障の歴史的展開」について、それぞれお話いただきました。
来賓のジョセフ・クオック氏からは、今日までの日本の活動を評価され、「今後も日本は、障害分野において歴史的な役割を果たしてほしい。メキシコ政府が国連へ提案した『障害者の権利条約』は、近い将来必ず実現されるだろう」と話されました。また、高嶺豊氏からは「『アジア太平洋障害者センター』が、2003年を目途に、タイにおいて開館する。アジア太平洋地域の拠点となることが期待される」と今後のアジア太平洋地域における障害者の活動の展望を語られました。
これらの話をうけ、ポスト「十年」の構想についてフリーディスカッションを行い、「1993年からスタートした『十年』の取り組みは、各国の地域レベルまでに浸透しているとは言えないため、第2の十年として『新・アジア太平洋障害者の十年』の枠組みとするべき」「現在の情勢を考えると、例えば『障害者の権利実現』などのテーマを持ち、3年、5年のスタンスで取り組んではどうか」「ポスト『十年』への取り組みも『権利条約』も、大事なことはその内容。10年後を見据えた具体的なプランの作成が重要」などの意見が出され、活発な議論となりました。
最後に、メキシコ政府が国連に提案した「障害者の権利条約」については、最終年記念フォーラムとしても応援していくことが確認され、以下の文書を国連へ提出することを決定し閉会しました。
わたしたち、日本国内の障害者団体関係者は、障害者権利条約採択に関する第三委員会へのメキシコ政府提案を全面的に支持します。
世界6億の障害のある人々の平等、人間としての尊厳のために、貴職がこのイニシアティブの実現に必要なアクションを早急に取られるよう強く要望いたします。